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清風掃々第8号 平成16年3月発行

巻頭言より
世界のお手本になれる日本にしましょう
 

日本を美しくする会
相談役  鍵山 秀三郎
 

「日本人は貧しいにも拘らず、貧しいことを恥とせず、礼節を弁える素晴らしい民族である。
これは他の国に見ることのできない特性である。」 かつて日本を訪れた外国人は、日本人の美徳について、異口同音に褒めてくれました。
しかし、このような称賛を浴びる事ができたのは半世紀前までのことであり、今は顰蹙を買うことの方が多い国民となりました。

今のような悪しき風潮の民族になった大きな原因は勤勉という大切な特性を失い、できるだけ労力を少なくして、成果だけは多く得ることが善である、という考え方にあります。
少しの労力で、得た成果が多い人は得た成果の量に比例して不安も一緒に抱えることになりましょう。
賭博で勝った人が次も勝てるかという不安や、次は失うかもしれないという恐怖に襲われるように、労せずして得たものには不安や恐怖が伴うものです。
インド独立の父であるマハトマ・ガンジー氏は、七つの大罪の一つとして「労働なき冨」を挙げています。

一方、大きな努力で得た小さな成果には、不安も恐怖も生じることはなく、むしろ自信と誇りを持つことができます。
日本人の心が荒み、世相が不安定となっているのは、一人ひとりの心に宿る不安と恐怖が作り出しているものであります。

日本を美しくする会にご尽力くださる方々は、「大きな努力で小さな成果」への道を歩んでおられ、青少年の心を育み、社会の建て直しに貢献されておられます。
ゴミを集めてきれいにすることは社会の不安を解消し、悪の居場所を無くすことに繋がりますので、宜しくお願い申し上げます。