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清風掃々第15号 平成21年7月発行
講話—平成二十一年度総会のご挨拶より—
「三つ目の大切な仕事」
 

全国各地から、素晴らしいお便りが届きます。
自分ではなかなかできない「こうしたい」と思う良いことが、自然発生的に起きていて、本当に嬉しいです。

なぜこのように皆さんが良い方向へ向かうのか、その理由を神戸女学院大学の内田樹教授がとても分かりやすく論じていらっしゃいます。
『仕事は三つに分かれます。一つは「私の仕事」、二つ目は「あなたの仕事」。これらは役割がはっきりしています。
それに対して、三つ目は「誰の仕事でもない仕事」と役割が明確で無いものが存在します。

この「誰の仕事でもない仕事」を「私の仕事です」と引き受けていく組織は、制度に不備があっても発展していきます。
一方、「私の仕事ではありません」と引き離していく組織は、必ず崩壊していく…』

まさに日本を美しくする会は、この「誰の仕事でもない仕事」を「私の仕事です」と手を挙げて引き受けてくださる人たちの集まりです。
十六年目を迎える今、日本を美しくする会がNPO法人としてますます発展していく理由はここにあると思います。
組織が良くなれば、それは社会、国家を良くしていくことにつながっていくと信じています。

「私の仕事です」と皆さんが役割を引き受けてくださるには、貴重な時間や費用など、今のような厳しい時代にはたいへんな負担だと思います。
どうか可能な範囲の中で引き受けていただき、多くの方々の手で、分けて、この仕組みを継続し、日本のために当会を発展させていただけたらと思います。