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清風掃々第16号 平成21年12月発行
講話「条件を良いことに生かす」

 

「自分に与えられた条件をどのようにしていくか」は、人間にしかできないことです。
与えられた条件だからしょうがないと決めつけず、その条件や与えられたものをどのように良くしていくか、悪くしていくか、あるいはそのままにしておくかは、「人間だけが変えていく能力を持っている」のです。
これは条件だけではなく、物においてもそうです。
他の動物は与えられたままで終わりですが、人間だけがかたちを変えたり、加工したりする能力が与えられています。
素晴らしい恩恵だと思います。
この能力を良いことに使うか、悪いことに使うか、これもまた人間に選択が許されていますが、折角の能力を悪いことに使う人が世の中にはたくさんいます。

有名になりたいが、悪いことで有名になった人も世の中にはたくさんいます。
折角有名になるならば、良いことで有名にならなければ意味がありません。
いかに与えられた能力を良いことに使っていけるかがとても大事だと思います。
良いことをすることとは、いろいろあります。
汚い物をきれいにする。
トイレ掃除もそうです。
汚い物をきれいにするのも人間に与えられた能力です。
しかし、反対にきれいなところを汚くする人も少なくなく、多いのが現状です。
これでは折角、人間に与えられた能力が生かされず残念なことです。

与えられた能力が少しでも良いことに使われるためには、日頃から鍛錬していないとできません。
その鍛錬の最も良い方法は、毎日、いつでもどこでもできる掃除であり、私はそういう考えで今日まで歩んできました。
振り返ってみても、掃除に取り組んできて良かった。
これで後悔することは何もありません。
掃除で時間を無駄にした、自分の人生を無駄にした、年月を無駄にしたとは全く思いません。
やってきて良かったと思うことばかりで、多くの方々にも私の考え方に共鳴していただき、日本中に「掃除に学ぶ会」が誕生したことも、大変嬉しいことであります。

人間に与えられた能力、人間にしか与えられていない「変えていく」能力を、良いことに、世の中をきれいにすることに、世の中を良くすることに、使って頂きたいと思います。