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「ひのきの里 北千束プロジェクト」エピソード①

ある日、母が、不動産の折込みチラシを私に見せたところから、このプロジェクトは始まりました。
何かの縁を感ずることは頻繁にありますが、それぞれの深さにはバラつきがあると思います。
そういった数々の縁の中でもこのプロジェクトは、かなり深い縁と言えるでしょう。

父が創業したイエローハットの本店所在は、何度か変わっています。
その中で最も会社が成長したのは、東京都大田区北千束に本社があった時期です。

私も何年かそこで勤務しましたが、忙しい日々だった記憶があります。
当然毎朝の近隣掃除にも勤しみ、近所の方には喜ばれました。
引っ越しと同時に売却されたため、もう疎遠になってしまうと残念な気持ちがあるほど、馴染みの深い土地になりました。
引っ越しにあたり、ひとつ懸念がありました。
毎朝していた掃除を、私たちがやらなくなったら、町も汚れるだろうということです。
時折気になり、様子を見に行きましたが、掃除をする人ができたのか、
ゴミを捨てる人がいなくなったのか、思いのほかきれいな状態でした。

「旧本社ビル真向かいに売り土地が出た」と母から情報がありました。
懐かしさから久しぶりに足を運んでみました。
持ち主の方とは親交はありませんでしたが、お宅の前もよく掃かせていただきました。
その時は、縁のある土地だし、有効利用できないものかと、漠然と考えるに終わりました。
ハウスメーカーに依頼し、建築そして借上げといった方向に進むことが一般的であります。
そして希望の利回りが得られれば、普通プロジェクトとしてはGOサインだと思います。
当社もこの北千束の地においてその方向に向かいかけたときに、熊本大震災が発生しました。
当社が熊本で所有している不動産物件が、壊滅的な被害を受けたため、このプロジェクトも一旦中止になりました。

平成29年9月2日 朴の森代表 鍵山幸一郎