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鍵山幸一郎代表が、日本を美しくする会機関誌『清風掃々 34号』に寄稿された文章を紹介いたします。

海外掃除に学ぶ会トピックス
「ニューヨークの清掃活動の今」

 ニューヨーク街頭清掃「Big Apple Beautifiers」は、何と13年間も続いています。
「Big Apple」とはご存知のようにニューヨークの愛称、そして「Beautifiers」とは「美化する人たち」と理解していただければいいかと思います。
そもそもの始まりは鍵山秀三郎相談役の「世界で最も犯罪の多い都市のひとつであるニューヨークを安心して観光客が訪れる都市に掃除で変えたい」との想いからでした。
日本からも毎年10年間にわたり活動に参加していましたが、10年の区切りで一旦「日本を美しくする会」の行事からは外れました。
しかし、代表のテリー佐藤さんを中心に想いを共有する方たちが活動を継続されています。

 開催日は毎月第3日曜日、午前9時より地下鉄W4th Street駅付近にある、日本食レストランに集合します。
そして約1時間ほど、レストラン周辺の掃除をします。日本に例えるならば歌舞伎町に似たエリアですので、日曜日の朝にどれだけゴミが散乱しているか容易に想像できると思います。
しかし、参加者の皆さんも随分と手馴れたもので、限られた道具を上手く使い、これが同じ場所かと見違えるほど美しくなるのです。
また、このレストランに道具を保管していただき、ミーティングの場もご提供いただくので、自発的にトイレ掃除もさせていただいています。

 では、この13年間に一体何が起きたのでしょうか。テリーさんからお聞きした話を紹介します。
 やはり始めた頃は、まさに邪魔者扱いだったようです。通行人も怪訝そうに見て通るだけで、労いの言葉は皆無だったようです。
しかし会のポリシーである「どんなことがあっても継続する」に則り続けた結果、大きな変化が生まれました。
それは、活動中に「おはよう」、「ありがとう」など声をかけてくださる人が時間の経過とともに増えているということです。
また、活動に興味を持った通行人の参加者が現れたくらいです。

 私もこの5年間で10回以上参加しましたが、あることに気づきました。実は、5年前は掃除が終わっても、私には何だかやり残した感がありました。要するにゴミを取り切れていなかったのです。けれども、直近では2019年10月20日に参加しましたが、その仕上がりは日本で行われる街頭清掃と何ら変わりがないくらいでした。参加者の皆さんが創意工夫を重ねてきた結果だと思います。
  

 この活動が日米友好の懸け橋になることを期待し、そしてまた参加できることを楽しみにしています。

日本を美しくする会 副会長 鍵山 幸一郎