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清風掃々第7号 平成15年1月発行
第3回全国大会in三重 2002年9月14日〜15日

お掃除フォーラム「なぜ今掃除なのか」より
 

「人間は絶えず自分の骨身を惜しまずに、挑戦していくことが大切です」
日本を美しくする会相談役 鍵山秀三郎

 

商人はいかに楽をして物を売るかというために、手抜きをします。
さらには、手を抜くだけではなしに、騙しやごまかしをする。
こんなことではいけない、そう思って作った映画が「てんびんのうた」です。
残念ながら、この映画は役に立たず、製作以後もメーカーや商人の誰もが人を騙しすごまかす、それだけでは足りなくて、犯罪まで犯すというようになってしまいました。

人間は手抜きをし始めますと楽ができますから、いったん楽をするとその自分の居心地のいい世界を守りたくなるんですね。
自分の楽な世界を守り始めると、うす汚いことでもよくないことでも平然とやるようになってしまいます。
自分の居心地のいい世界を守ることほど、悪いことはないんです。
人間は、絶えず自分の骨身を惜しまずに、挑戦していくことが大切ですね。

「百術 一清に如かず」

この言葉は、吉田松陰の伯父さんであり師である玉木文之進の言葉です。
「あの手この手を考えることよりも、一回の徹底した掃除を行ったほうが大きな力がある」という教えです。
掃除をしたからと言って、急に売り上げが上がるという訳ではありません。

人間は、骨を折ること自体が大事なんですね。
なぜなら、人間は安易な生き方をしていると、必ず卑しくなります。
これは間違いありません。
安易な生活をしていて、人間が高尚になった人はいないんです。
卑しくなると同時に、自分の甘い世界を守りたくなって、うす汚いことでも平気でやるようになる。
残念ながらこれが今の日本の世相ですね。
ですからこれを変えるためには、夏は暑い中でも汗をかき、冬は寒い中でも掃除をして環境をキレイにしていく、この実践が大事だと思います。