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清風掃々第9号 平成17年3月発行
巻頭言より
 

日本を美しくする会
相談役  鍵山 秀三郎

日本を美しくする会を丁寧に育てていただいて、まことに有り難うございます。
経済的な尺度で測れば、全く価値が認められないトイレ掃除の活動を、皆様が丹念に守ってくださったお蔭で、多くの人々に理解されるようになりました。
そして、皆様のひたむきな行いによって、荒れた学校が更生したり、組織や地域が活性化した好例が出現し、この力が偉大であることが証明されました。
発足して十余年を経た今、経済とは異なった視点で見ると、トイレ掃除には数値では表すことのできない高い意義があります。
その高い意義とは、人の心の栄養になるということです。

作家・藤沢周平氏が、「飯の糧にならないことが、心の糧になる」と説いています。
今の日本は、 飯の糧 つまり、自分にとって都合の良いことや有利なこと、利益に結びつくことばかり求めて来たために、心の栄養が乏しくなりました。
そのために社会が荒れ、人の心も貧しくなる一方となりました。

日本を美しくする会の活動は、「心の糧・心の栄養」となるものです。
この活動を通して、自らの心を養うだけでなく、多くの人びとの心を清澄にし、豊かにして参りましょう。