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清風掃々第25号 平成27年6月発行
「掃除の三段階」
 

トイレ掃除は、今でこそ有り難いことに多くの人の理解を得られるようになりました。
けれども、六十年前、掃除は一番つまらない、一番能なしがやる、あるいは悪いことをした人がやると思われていました。
そんな時代に私はトイレ掃除を中心にして「掃除、掃除、掃除…」と提唱して参りました。

良いことをしたら理解してもらえるかというと、そうではないのです。
反対に人から嘲笑されたり、笑いものになるのです。
ここから始まるのです。

どんな良いことでもそれが成し遂げられるまでには三段階があるということが本に書いてありました。
世界に名高い哲学者であってもこういうことを言うのかと安心したのですが、第一段階は「笑いものになる。」良いことであればある程嘲笑される。
第二段階は「最初笑っていた人が激しい抵抗をする。」そんなことをしなくてもいいと反対する。

そして、この二つのことを耐えて乗り越えると、第三段階は「最初に笑ったり抵抗したり反対したりした人が、いつの間にかそんなことはわかっていたと言って同調する。」よく掃除でもあります。
最初は反対したり、抵抗したりしていた人がいつの間にか同調しているということがよくあるのです。
これだけの偉大な世界的に有名な哲学者であってもこんな体験をしているのかということを知った時、私はこの本を読んで良かったと思いました。

どうかみなさん方も自分が正しいと思ったことをやるとき、「それは良いことだから最初から上手くいくとは限らない。むしろ抵抗されることの方が多い。」この言葉を思い出していただき、「これが始まった、これを乗り越えていこう」というふうに取り組んでいただきたいものです。