「鍵山記念館」
世の中をよくするには、「大きな努力で、小さな成果」しかないのだと、よく父・鍵山秀三郎が口にします。残念ながら、国民としての義務を果たすといった大きな努力せずして、権利という成果を主張する風潮が蔓延(はびこ)っているのではないでしょうか。後世によき日本をバトンタッチするには、誰かがどこかで具体的に、この風潮に歯止めをかける必要があると思います。その役割を担うべく「鍵山記念館」を計画し、7月18日無事に地鎮祭を終えることができました。朴の森のコンセプトである、人と環境に本当に優しい施設作りをもっと掘り下げ、目的を達成させる所存です。中でも、日々弛まぬ努力を積まれる人たちに、光を当てることが重要だと父が申しております。そのような施設に発展させることを強い使命と感じ、一歩を踏み出しました。
まず鍵山相談役のコーナーですが、耕心の里で手狭になっている展示を移設します。地道に書き続けてきた複写ハガキの控えや、あの有名な使い終えたボールペンの芯等も展示予定です。日々の惜しまぬ努力の形跡を、直にご覧いただけるかと思います。また今までに出版された著書のすべてを取り揃え、その一部の販売も行います。時間のかかることですが、執筆した月刊誌等の記事もできるだけたくさん収集したいと思います。
次に建築について少し説明致します。今回も木に拘り、日本の木を用いて建築します。昨今輸入品に比較すると高いといった単純な理由で、素晴らしい日本の木が敬遠されています。果たしてそれでいいのでしょうか。木が売れないと山が弱り、ちょっとした雨にも耐えきれず水害が発生します。今回は日本の山を守るため、そして林業に携わる方のお役に立つため、長野県産の檜を用いて建築します。そして所有している古木を用いて、古民家風に仕立てあげます。伝統工芸を守るため、愛媛県菊間の手焼き瓦も手配しました。ぜひ木の風合いをお楽しみください。
更に地元で頑張るアーティスト支援策として、オープンスペースを広めに作りました。絵画や工芸品の展示会、コンサート、講演会等にご利用いただけます。常に努力を怠らない志の高い人を応援したいと思います。
建築の模様は、ホームページや朴の森フェイスブックにて紹介いたしますので、どうぞご覧ください。ソフト面は12月に竣工した後、ぼちぼち手間暇掛けながら、充実させていく予定です。「大きな努力で、小さな成果」が何を意味するかご理解いただけるような記念館に近づける所存です。これからもご支援のほど、お願い申し上げます。
朴の森代表 鍵山幸一郎