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「ひのきの里 北千束プロジェクト」エピソード③

熊本における事業の復旧最中に、この土地が売れてしまったら、それなりの縁であったと諦めるつもりでいました。
ところが後になって分かったことですが、所有者の方も、全くの他人には積極的に売りたくはなかったようです。
その理由から、再度土地取得に向けて、進めることができました。

北千束という土地に、深い縁を感じた瞬間でもありました。
父は掃除をしたお蔭で、とても手の及ばぬ土地を購入したというエピソードを、読まれた方もいらっしゃるかと思います。
所有者の方も私たちが近隣の清掃を行っていたことをご存じでした。
まさに掃除が結ぶ縁であったようです。

土地の取得に目途が立つと同時に、どのように活用するかのプランニングが開始されました。
一般的には、ハウスメーカーに丸投げです。設計、建築、そして借上げと、面倒なことから解放されます。
6世帯の集合住宅を建てると、どの程度の利回りなるかの試算してもらい、ほぼその方向で進み始めました。
しかし本当にそれでいいのか、方や葛藤の始まりでもありました。
今回の建築を請け負っていただいている南木曽木材の柴原社長のことを、思い出したのはその頃でした。

柴原社長が所有されている、宝物のような木材の有効利用を、以前父に相談に来られたことがありました。
その時は、日本の木が売れない昨今なので、さぞ大変だろうな、くらいにしか正直思いませんでした。
日頃頭では、事業とはいかに社会に貢献するかが大切であることを、思っていながら、危うく忘れて安易に進めるところでした。
幸いにも、柴原社長とのご縁が歯止めをかけてくれました。
そこで生まれたのが、「ひのきの森 北千束」プロジェクトのコンセプトでした。

•日本の素晴らしい資産である自然木をふんだんに使う
•日本の伝統である大工さんの腕を生かして建てる
•木の持つ癒しの力を住人が感じる住まい

こうなったら全部自分が関わり、言っいてることと、やっていることが、ほぼ重なる道しかないと決断した次第です。
そして遂に、ハウスメーカー任せとは全く逆、即ち思い切り手のかかる方向へと進み始めました。

平成29年9月25日 朴の森代表 鍵山幸一郎