鍵山秀三郎「講和」清風掃々

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清風掃々第33号 令和元年6月発行
巻頭言「人間力とは智と情の総和」
(「第16回鍵山教師塾」へのメッセージより)

半世紀前までの日本人は、「情」によって自分自身を制御していたために、穏やかな社会が保たれていました。「情」の力が「智」の劣っているところを補っていたのです。
ですから、戦争によって国土が焼野原になるという未曾有の惨禍に見舞われたにも拘わらず世相は今よりも落ちついていました。

その後、経済的な国力が増加するにつれて、教育の場と機会が豊かになり、高学歴の人が多くなりました。
しかし、「智」の面は向上しましたが、それに反比例して「情」の力が衰退していったのです。
学歴は高くなり、「智」の分野は著しく向上したのに、総合力である人間力は低下したのです。

人間力とは「智」と「情」の総和ですので、「情」の面が退化すれば人間力という総和力が低下します。
「情」とは、周囲の人に氣を配り思いやる心です。
「智」の不足は「情」で補えますが、「情」の不足は「智」で補うことはできないのです。

先生方には、数値で表わすことができる「智」のみの教育ではなく、「情」を育み、豊かな人間力の向上を果たす教育をどうか施していただきたいのです。

今の日本では“人から望まれ求められる人”が少なくなりました。
自分が望むことや求めることよりも“望まれ求められる人”の方が大切です。
望まれる人になれれば、それは人間力が備わった証しです。
“求められ望まれる人”の育成をお願い申し上げます。